パソコンを手放す前には、自分でデータを消す必要があります。メーカーの回収・リサイクルを使う場合も同じです。パソコン3R推進協会は、データ消去は利用者自身の責任とし、法人向けの回収では回収した機器を破壊処理するものの、輸送中の紛失で情報が漏れるおそれがあるため、事前の消去を依頼しています。
Windowsの「PCを初期状態に戻す」にも、データの消去のオプションがあります。ただし、Microsoftはこのデータ消去が、政府や業界のデータ消去の基準を満たしていないと書いています。この記事では、手放す前にやること、Windowsの機能でできることと限界、回収を使う時の注意をまとめます。
(確認元:パソコン3R推進協会「データ消去について」「当協会の会員が推奨するデータ消去プログラム」、Microsoftサポート「PC を初期状態に戻す」。確認日:2026年10月6日。一般的な内容を含みます)
手放す前の流れ
- 必要なデータを別の場所にバックアップする:消去すると、元に戻せません
- アカウントとの紐づけを外す:Microsoftアカウント、ソフトのライセンス、クラウドのサインインなど(一般的な注意)
- ストレージのデータを消去する
- 回収・買取・譲渡の手続きに進む
バックアップの方法はWindowsバックアップで大切なファイルを守る方法を参考にしてください。
Windowsの「初期状態に戻す」でできること
Microsoftのサポート情報によると、Windows 11では、設定アプリの「システム」→「回復」で「PC のリセット」を選び、「すべて削除する」を選びます。これは、Windowsを再インストールし、すべての個人用ファイル・アプリ・設定を削除する機能で、パソコンを譲渡・売却する時に向く、と案内されています。
「すべて削除する」には、データの消去のオプションがあります。有効にすると、ファイルが削除され、ドライブが消去されます。時間がかかる可能性がありますが、他の人が削除したファイルを回復するのが難しくなります。
| 操作 | Microsoftの説明 |
|---|---|
| すべて削除する(データの消去なし) | Windowsを再インストールし、個人用ファイル・アプリ・設定を削除する |
| すべて削除する+データの消去 | さらにドライブを消去し、削除したファイルを他の人が回復しにくくする。時間がかかる |
始める前と実行中の注意は、Microsoftの案内で次のように書かれています。
- 始める前に重要なファイルをバックアップする
- デバイスを暗号化している場合は、BitLocker回復キーがあることを確認する
- リセット中に、画面が長時間(場合によっては15分以上)黒くなることがある。このあいだに自分で再起動すると、リセットが失敗する可能性がある
Windowsの機能の限界
Microsoftのページには、「データ消去機能はコンシューマーを対象としており、政府や業界のデータ消去基準を満たしていません」と書かれています。重要な顧客情報や、仕事のデータが入っていたパソコンの処分では、専用のデータ消去ソフトの使用や、ストレージの物理的な破壊も含めて、慎重に検討してください。
メーカー回収を使う場合(パソコン3R推進協会の案内)
以下は、同協会の事業系(法人向け)パソコンの回収についての案内です。家庭向けの回収は、各メーカーの窓口の案内で確認してください。
- 回収したパソコンは、リサイクル施設でハードディスクを含めて物理的に破壊し、資源にリサイクルされます。再資源化の完了後に発行される報告書には、処分方法として「破砕」と記載されます
- ただし、回収センターはHDDのデータ消去は行いません。輸送中に紛失などの事故があると情報が漏れるおそれがあるため、依頼する人が回収の前にデータを消去するよう案内されています
- HDDにデータが残ったままでも回収はされますが、機密情報・個人情報の責任は負えないとされています
- 自分でデータ消去や物理的な破壊をした場合は、HDDをパソコン本体の中に戻すか、テープなどで筐体に貼り付けて出して構いません
自作パソコン・メーカー専用ツールがない場合
メーカーのデータ消去ソフトが提供されていない自作パソコンなどでは、パソコン3R推進協会は、汎用的なデータ消去ソフトの利用を勧めています。ソフトを選ぶ時の注意点として、次の3つが挙げられています。
- メーカー専用のデータ消去ソフトでないこと
- データ消去ソフトが対象のパソコンに対応していること
- 希望するデータ消去の範囲・方法を実現していること
なお、同協会は、利用者が選んだデータ消去ソフトについての質問には答えられないとし、ソフトは利用者の責任で選ぶよう案内しています。
買い替えの前に
新しいパソコンは、メーカーのBTOか、パーツを選んで組む自作かで、準備と保証が変わります。選び方の比較はBTOパソコンと自作パソコンの違いにまとめています。古いストレージを新しいパソコンに取り付けて使う時は、SSD・HDDが認識されない時の確認の順番も参考になります。
まとめ
- 手放す前に、自分でデータを消す。回収を使う場合も、輸送中の紛失に備えて事前に消去するよう案内されている
- Windowsの「すべて削除する」と「データの消去」で、他の人が回復しにくくなる。ただし、Microsoftは基準を満たしていないと明記している
- 重要な情報が入っていたパソコンは、専用ソフトや物理的な破壊も含めて慎重に判断する
